第五十話「はじまり」

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「わっ」 箱を開けると、そこから勢いよく何かが飛び出してきた。 驚くエリー。 しかしその姿を捉えると、エリーの目には驚きと涙が浮かんだ。 ――リヒトだ。 「リ……リヒト……」 震える声で呼ぶエリー。 リヒトはぐるぐると回り、そして腰に手を当てて胸を張る。 こんなに心配させておいて、非常に偉そうだ。 「リヒト……!」 そんなリヒトをぎゅっと抱きしめる。 その勢いに、リヒトは目を回す。 サラは美しく微笑んで、二人を見ていた。 「あら、エリー」 アンナが声を掛けてきて、エリーとリヒトは同時に振り向く。 「その子、お祭りの時にあんたに懐いてた子じゃない」 「……見えるんですか?」 驚いたような顔のエリー。 アンナは不思議そうに頷く。 エリーとリヒトは顔を見合わせ、そして笑い合った。
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