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――ガラガラっ!!――
激しい音をたてて扉を開ける。勢いが強すぎたせいで、ピシャッ!!右側に動いたあと、停止しないで、反動で少しこっちに戻り、ようやく止まった。
沈黙が教室に訪れる。私の瞳に、みんなの様子が飛び込んできた。
久しぶりに見る、クラスメイト達。一瞬にして注目を浴びる。
初めは、突然の大きな音に、何事かと訳が分からない表情をしていたが、その正体が私だと認識した瞬間、戸惑いに変わる。
黒板の前には担任の先生がチョークを片手に固まっていた。
先生には、あらかじめ来ることを伝えていたが、こんなに激しい登場の仕方は予想外だったのだろう。
驚きに満ちていた。
ざわめき出す教室。小声でひそひそと、話している子もいるが、決して私には声を掛けない。
あんな出来事があったため、私にどう接していいのか分からないのだろう。
中には、小さな笑い声も聞こえてきた。
――恐い…。――
頭の奥が、熱を帯び、ふらふらする。
身体が、無意識に震え、拒否反応を起こす。
立っているのがやっとだった。
(…。あ…まただ。また、この感覚。)
そんな時、決まって誰かの体温を感じる。きっとさっきの声の主と同じだ。
根拠のない確信があった。
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