マフィアなるもの

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ベッドに横たわる女を残し服を着る。 「ねえ、今度はいつ?」 俺の腕に自分の腕を絡ませ少しかすれた声で女が声をかける。 「次はない。今日で終わりだ。」 俺は無機質に言いながら腕を振りほどき、振り向きもせずに部屋を出た。 「ざけんなこのやろう!」 怒鳴り声と共にドアに枕をぶつける音がした。 薄茶色の髪を肩まで垂らし、ほどよく筋肉の付いた身体に粋なスーツがよく似合う。ぱっと見ではどこぞの御曹司とみまごうような容姿は女に良く受ける。 毎日のように女を変え、絶体に深い関係にはならない。 これは俺の人生のセオリーだ。 女で身を滅ぼしたヤツを何度も見てきた。 マフィア会で生きていくのにたとえ少しでもほころびがあってはいけない。 ガキの頃から、そうボスに散々叩き込まれた。 まあ、そのボスも銃撃戦で呆気なく死んだが。 俺は今の地位を拳銃の腕前とルックスだけで手に入れた。
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