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上条は眉を寄せ身を捩るが、ガムテープに塞がれた口からは声を発することも出来ず、両脇を抑え込まれて逃れることも出来ない。
来生はわざと上条の背面にまわり、俺に見せつけるようにスラックスと下着を一気に引き下ろした。
まさか自分が、男の陰部などに興味が湧くとは思いも寄らなかった……。
だが、信じられないことに生唾を飲み、じっくりと眺めるうちになお興奮が高まってくる。
来生が男達に何かを指示すると、一人の男が上条を後ろから羽交い締めにし、もう一人の男が両足を掴んでM字型に開かせ拘束具で固定した。
「さてこれからが本番ですよ、エリートさん……なに、心配しなくても辛くないようにして差し上げます」
来生は黒革のサイドバックから、小さな金属製ケースを取りだした。
「即効性はあるが、常用性はないクスリです。すぐに気持ちよくなりますよ……」
ケースの中のアンプルを注射器に移し足の付け根に注射すると、上条の険しい表情が途端に緩んでいく。
クスリが廻ったのを見計らい、来生は口を塞いでいたガムテープを外した。
「それにしても、これだけ綺麗な刑事さんだ……きっとカナリヤのような声で啼いてくれるでしょうねぇ」
あの薬は何だ? 抵抗する力を奪うのか、それとも気力を奪うのか?
ヘロインは使うなと言ったが、モルヒネなら使うかもしれない。
上条は一瞬口を動かそうとしたが、言葉にはならなかった。
高校時代から俺よりガタイがひとまわりデカかったが、組織に入ってからなお割腹が良くなった来生がポロシャツを脱ぐ。すると黒々とした剛毛の厚い胸板が現れ、その姿は野生の熊を想像させた。
指が短く見えるのは、ごつくて大きな掌に比べてしまうからだが、その毛深い両掌が上条の白い双丘をわし掴みにすると臀部はすっかり覆い隠されてしまった。
しかし強引に谷間を押し広げると、鳶色の菊座が露わになる。
心得たように男の一人が液体を滴らし、来生は自転車のグリップほどもある親指をゆっくりと肉癖にめり込ませていった。
「く……っ、ふうっ! んっ、ああ……っ……んっ」
ずぶりずぶりと指を抜き差しするたび、上条は身を捩らせ細く喘ぎを漏らした。
眉間に苦悶の皺を寄せ、目尻に汗とも涙ともつかないものが光る。あの鼻持ちならないエリート面が、得も言われぬ艶やかな色香を漂わせて身悶えしているのだ。
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