第二章 建設業界の闇

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   能見の名が、有する力は今も存在する。  それが今回、山田 亨殺害の為に作用したなら。考えられるのは、能見と親交を深める常務の徳山を社長にする為。  徳山が依頼したのか。  能見の方から持ちかけたのか。  どちらにしても、能見が子飼いにしている殺人のプロ。そうした人間に、山田の殺害を依頼したとする。  当然、徳山や葉北建設との関連は浮上しない。  それどころか、殺人の実行犯の特定が難しい。仮に特定されても、能見や徳山に捜査の手が及ばないようにしている可能性がある。  どこまでも、ミステリードラマの設定のよう。矢次などは、考えていて酒口の顔が浮かび不愉快になった。  ただ能見議員には、国政への出馬の噂がある。  おそらくは、必要な人脈は県会議員として活動し、建設業界の人間たちを抱き込み確保している。地元から出馬すれば、それ相応の票が獲得する事が出来るだろう。
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