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それでも黒木が辛抱強く教えてくれたおかげで、半泣きになりながらも徐々に要領を掴めてきた。
ようやく彼にハンドルを修正してもらわなくてもよくなったので、今度は黒木が外に立って見ていることになった。
「大丈夫。……そのままバック」
後ろのガラス越しに見える黒木の誘導を聞きながら、まるで教習所の検定みたいに一発で決めようと我ながら鬼気迫る顔で集中する。
ところが、ハンドルに気をとられた私はアクセルを強く踏みすぎてしまった。
「うわ……っ」
黒木の叫び声が聞こえた瞬間、鈍く何かに当たった気がして慌ててブレーキを踏む。
気づくと後部ガラスに黒木がいない。
「うそ……やだ……」
黒木をひいてしまった……？
ブレーキを踏みしめているだけで精一杯で、私はパニックに陥ってしまった。
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