第1章

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 カンナがソファに座り、タブレットに収められた写真を眺めていた。  ただ眺めていただけなのだが、いつの間にか口元が緩んでいたのだろう、 「何ニヤニヤしてるの?」  と、いきなり声をかけられて驚いて顔を上げるとクレアが立っていた。 「クレアか、お疲れ。今戻ったのか」 「うん、カンナくんはエティアさんのお迎え?」 「少し早めに来たから、終わるまで待たせてもらってる」  カンナが答えると、クレアはそのまま前の席に腰を下ろした。  ここはエティアとクレアが所属している事務所の一室。  エティアの仕事終わるまで暇だなと、先日配信サービス用に撮ったというフォトデータを見ていたところ、クレアに怪訝そうに声をかけられたのだ。 「それで、何見てたの?」 「この前二人で撮っただろう」  クレアにも見えるように、タブレットをテーブルの上に置いた。 「ああ、この時の撮影楽しかったなぁ~。これ、まだ配信前だよね?」 「カメラマンから撮ったやつ、エティアがいくつか貰ったみたいで見てたんだ」  話をしながら次々と写真を送って見ていると、一枚の写真が目に止まった。  そこにはエティアとクレアが額をくっつけて、とても楽しそうに笑うのを横から撮った写真があった。
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