流浪の民

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こちらに敵対する意志を見せず、立ち去っていった巨大サイを見送り、死したティラノを調べる一行。 コリンが特に気にした所はこの異形もさることながら、魔力を感じさせないこの肉体。 確かに目の前に存在しているというのにも関わらず、一切の魔力を感じないのだ。この世界の常識として、どこにでもあり、誰もが持っているはずの魔力を持たないこれが一体なんなのか、それが何を意味しているのか、皆目見当もつかないのだ。そこへ、 「んんんっ!?上空から飛来物っ!?いや!落下物!! パターン青っ!!イトですっ!!」 思わず姫を省略してアヘ隊長が叫ぶ。 「イト姫だとっ!?バカを言うなっ!姫ならば客車を守って・・・ いや、姫ならば飽きたとかそんな理由でくるか。 魔力はっ!?感じられるかっ!?」 「はいっ!いつもより弱いですが感じます!我々の真上に落ちてきますよっ!!」 「落ちてきてるんだなっ!? 総員!受け止めるぞっ!!」 コリンが大地に手をつき、土を砂に変える。コリンの意を察し、その上から空気の層を塗り重ねていくトカゲ人達。 ひゅーーーーん。 ぼすん!! 激しい土埃とはそぐわない軽い音を立てて着地するイト姫。 ボボボボっ!! 「み、みんなっ!気をつけろよっ!! イト姫だけどイト姫じゃないかもしれないぞっ!!」 連続火炎弾を周囲に浮かせながら警戒するアヘ隊長。 「どっからどう見てもイト姫でしょうがっ!!」 ごすん!「あいたっ!?」 今度はクロコに後頭部をひっぱたかれ、つんのめる。 きゅどどどど・・・ 弾みで打ち出された火炎弾がイト姫を直撃。 炎が消えた後には・・・ アフロ姫。 古代の森に沈黙が張り詰める。 ぼふっ。 アフロの口から煙。 「・・・・・・お前。マジで。殺す。絶対。ぼふぅぅぅ・・・。」 そして倒れるイト姫であった。
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