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「・・・お前凄いな。文字通り汚名挽回する奴に始めて会ったよ。」
「えっ!?いや!だって今のはお前が後ろから叩くから思わず!!」
呆れ果てるクロコ。慌てまくるアヘ隊長。
「とりあえずアヘ、お前もう裏こなくていいから。お前、この古代の森で逞しく生きていけよ。な。」
「すっ!すっ!捨てないでください~!コリン様ぁぁっ!!」
呆れ果てるを通り越してキレたコリンにすがりつくアヘ。
「ん?ちょっと待ってください。考えてみたらおかしいっすよ!?
イト姫がこいつの魔法ぐらいでダメージ負うはずがないし、そもそもなんで空飛べる姫が落ちてきたんですかっ!?鱗も翼も落ちてきたときは生えてたのに格納されちゃってるし!」
「む。」
アヘを放置し、イト姫に駆け寄るコリンとクロコ。
姫は浅い呼吸を繰り返してはいるものの、目立った傷もなく、目立つのはアフロだけ。
「・・・衰弱して寝込んでいる?
まさか竜車引きで消耗していたのに無理してここまできたのか?」
「・・・確かに竜車引きって鬼のように疲れるでしょうけど、姫って鬼より強いですよね。」
「うむ・・・。
とにかく総員!一旦竜車に帰るぞ。
ことこうなってしまっては探索などしている場合じゃない。竜車に戻り、姫の回復を待つっ!!
アヘを覗いて総員撤退!!」
「「「「「「「「「はっ!!了解っ!!」」」」」」」」
「ちょっ!?私も連れてってくださぁぁいっ!!」
コリンを殿に竜車へと引き返す一行。
まぁ本当の殿はアヘなのだが、そもそも彼はすでにおまけのミソッカスである。
すすすとコリンに寄ってくるクロコ。
「そういやコリン様。
なんであれなんかが隊長になれたんすかね?」
隊長をあれ呼ばわり。
「うむ。完全にハエバッサ七不思議レベルだな。
まぁ小隊長クラスは少なくとも兵10人に一人はいるのだ、隊長自体は珍しくないが・・・。
おい、おまけ。
ついてくるの許してやるから、なんでお前が隊長になれたか説明しろっ!」
振り向き、尋ねるコリン。
物凄く笑顔の弾けるアヘ。
「はぁぁいっ!!
私、名前!アヘ・タイチョなんですぅっ!!
それなんでみんなにタイチョタイチョって呼ばれてる内になんか隊長にされてましたぁぁっ!!」
ずこーーー!
コリンとクロコがずっこける中、一人笑顔のアヘ。
「・・・人事部、仕事雑過ぎるだろ。」
「ハゲド。」
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