2360人が本棚に入れています
本棚に追加
/500ページ
6年生にもなると、中学受験をする子は、毎日のように勉強をしなければなりません。
麗華ちゃんも、中学受験をする子の一人で毎日のように夜まで塾に通っていました。
受験勉強によるストレス、それが引き金になってしまったのかもしれません。
麗華ちゃんはコッソリと自分のスマホで巫女服姿の美弥ちゃんの写真を撮ると、クラスメイトに写真を転送し、こう付け加えました。
オタクでストレス発散したくない?と………。
こうして美弥ちゃんイジメが始まったのです。
最初は軽い無視と美弥ちゃんがコスプレ好きという噂程度でしたが、徐々におもしろがったクラスメイト達があれもこれもと思いつき、さらにはストレスが溜まっている担任の先生を唆して、さらにイジメを発展させたのです。
美弥ちゃんをいじめるたびに発散していくストレス………。
美弥ちゃんは、まさにストレス発散の為の生贄になってしまったのです。
「あーあー、アイツの為に葬式行かなきゃいけないのがめんどくせー」
「ホントだよ、私たち受験勉強あるのに」
「あ、じゃあこうしようよ!誰が葬式で早く涙が流せるか競争!早く流せた人は芸能人の素質があるってことで!」
「勿論先生も参加ね!」
「先生負ける気しないからね!」
笑い合うクラスメイトと先生、彼らは決して美弥ちゃんの死を悲しんだりはしませんでした。
ただ面白い玩具が一ついなくなっただけ………。
ポカンと空いている席には、わざと置かれた花が無残にも枯れ果ててしまっていたのでした………。
最初のコメントを投稿しよう!