ー序ー

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恵子は警察から 教えられた住所を 初めての事で 驚き過ぎてしまい、 確認してる時間は 無かった。 同じ新宿区内ならと、 マンションから飛び出して 全速力で大通りに出て タクシーを呼び止めた。 「西新宿警察署まで 急いでお願いします! 」 鼻息を荒くして 恵子は言った。 だが、娘の 緊急事態かも知れない。 まだ肩と腕が怒りで 震えている。 ネット犯罪の可能性ですって? 全く、とんでもないー!! と、ブルブルと 小刻みに震えているのが 自分でも分かった。 タクシーの運転手さんは 「電車のほうが早いかも 知れませんよ? 」 とは言ってくれたが、 恵子は心の中で 『こんな怒りで震えた体で 電車なんか乗れないわよー! 』 と叫びたかったが思っただけ。 母親なのだからと 息を整えて…… 「いえ、いいんです。 急いでお願いします」 そう頼むとタクシーの 運転手は 「はいよ。 道路、混んでますが…… じゃ、なるべく 飛ばして行きますからねー」
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