二度目の異動 -2

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「すみません……」 彼はその紅茶を一口飲んだだけでやめてしまった。 こんな風に言われると、他のみんなには出せなくなる。 「次はもう少しがんばります……」 私が俯き加減に唇を噛みしめると、部長は言った。 「またやるつもりか?」 「……はい。部長が美味しいと言うまでは」 ……でないといつか誰かが脱水になってしまう。 「そんな時が来るとは思えんが」 徳島部長は私を鼻で笑った。
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