グレーの扉-2

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「……酒癖? 悪いも何も、今日はそれほど飲んでいない」 「……え」 「まだまだ素面(シラフ)同然だ」 「……嘘……」 私はポツリと呟いた。 部長の考えていることが益々わからなくなる。 私はそこで思いついたことを聞いてみる。 「部長……。もしかして、酒癖が悪いってこと自体が……嘘なんですか?」 すると、部長はニヤリと笑った後、目を細めて私を見つめた。 「……いや、嘘じゃない」 部長は手元の缶ビールを二、三口飲んだ。 「俺が本当に酔ったら、どうなるか教えてやろうか?」
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