第一章

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第一章

 桜が舞い散るある日、隣に女性が引っ越してきた。彼女はピンク色の頬をしていて、背が高く、僕は一目で彼女に恋をした。  いつも、彼女とエレベーターホールで会うけど、僕は緊張して、声がかけられない。恥ずかしいから声をかけられないのだ。悪気はないんだけどな。  そんなある日、隣の部屋から男の子が出て来た。男の子は、彼女と親しそうに話している。僕はその様子が見てられなくなった。 「君、彼女に近づくなよ」  僕は、思い切って、彼に話しかけた。彼は、変な顔して、僕の方を見ているけど、僕は気にしない。  すると、突然、彼が僕に向かって、言ってきた。 「何だ、このチビ。俺の母ちゃんに何か用?」  そう、僕はまだ小学校も行っていない男の子。そして、彼女は、この男の子のお母さん。年上だけど、色気があって、僕にはちょっともったいないくらいの、婦女なのだ。今日も、僕は、この男の子とまた、この会話を、一日繰り返す日々を送っている。 (第一章 完)
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