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亨が私の腰に腕を回して抱き上げたまま、こちらを見上げてくる。
「どうする?」
「ど、どうするって」
恥ずかしいに決まってる。
だってここには、美佳も矢野さんも相田先輩もいるし
何より親もいるわけで。
「絶対、後でお父さんに嫌み言われるよ」
「いいよ別にそんなの。さっき控室に会いに行くのも邪魔されたし」
軽く肩を竦めた亨に私も苦笑いをして、肩に添えていた腕を伸ばして首に絡める。
恥ずかしいに、決まってるけど。
今日だけは、この幸せをちょっぴり自慢してみたい。
首を傾げると亨も理解したのか、口許をほころばせて目を閉じた。
緩く風が吹いて、ふわりとウェディングベールが揺れる。
私は彼のもとへ唇を寄せ
「すき」と小さく呟きながら
祝福とやっかみの声の中
長く幸せな、キスをした。
~:~:~:~:~:~:~:~:~:~:~:~:~:~:~:~:
すきじゃない。
Happy Marriage
END
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