145人が本棚に入れています
本棚に追加
/251ページ
「俺、姉ちゃんの高校に通ってる人ひとり知ってる。中学時代にたまに試合してた相手なんだけど・・・その人に、姉ちゃんのこと頼んでやろうか」
「ハア!?何それ!男!??」
「男。姉ちゃんと同じ学年なんだけどさ、ぼっちも辛いだろ。頼めば、弁当くらい一緒に食ってもらえると思うから」
「意味不明!!」
全く、何を言い出すかと思ったら。
コイツは、マジでただの野球バカだわ。
キーッと苛立つ私だったが。
「翠、贅沢言ってんじゃないの!!」
「!!」
ガン!!!と音をたてて目の前のテーブルに置かれた、溢れんばかりの千切りキャベツと大量の唐揚を乗せた大皿。
運んできたのは、こちらも同じく身長180cmを超える・・・私たち姉弟の母親だ。
若かりし頃はバレーボールで名を馳せ、実業団に所属。
全日本に召集されたこともあるという、こちらもとんでもない人。
まあ要するに、猛の体格と運動神経は全て、今もなおママさんバレーのチームで活躍する母からの遺伝と思われるわけで。
ちなみに私は・・・身長163cm、スポーツは専ら観戦派!の父に似てしまったわけで。
最初のコメントを投稿しよう!