はじまり

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「俺、姉ちゃんの高校に通ってる人ひとり知ってる。中学時代にたまに試合してた相手なんだけど・・・その人に、姉ちゃんのこと頼んでやろうか」 「ハア!?何それ!男!??」 「男。姉ちゃんと同じ学年なんだけどさ、ぼっちも辛いだろ。頼めば、弁当くらい一緒に食ってもらえると思うから」 「意味不明!!」 全く、何を言い出すかと思ったら。 コイツは、マジでただの野球バカだわ。 キーッと苛立つ私だったが。 「翠、贅沢言ってんじゃないの!!」 「!!」 ガン!!!と音をたてて目の前のテーブルに置かれた、溢れんばかりの千切りキャベツと大量の唐揚を乗せた大皿。 運んできたのは、こちらも同じく身長180cmを超える・・・私たち姉弟の母親だ。 若かりし頃はバレーボールで名を馳せ、実業団に所属。 全日本に召集されたこともあるという、こちらもとんでもない人。 まあ要するに、猛の体格と運動神経は全て、今もなおママさんバレーのチームで活躍する母からの遺伝と思われるわけで。 ちなみに私は・・・身長163cm、スポーツは専ら観戦派!の父に似てしまったわけで。
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