赤の王と青の王

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「う…うん!?」 アルスが、意識を取り戻した時、辺りは真っ赤に染まっていた。 天と地…空間そのものが、赤く染まっている。 「ここは…何処だ…?俺は、コルフィに斬られて…」 アルスは、コルフィに斬られた胸に手を当てたが、傷は何処にも見当たらない。 『目覚めたか、我魂の分身よ 赤く染まる世界の中で、より鮮やかな赤に彩られた巨漢の姿があった。 アルスは、その巨漢を見てどこか懐かしく、包み込まれる様な安らぎを感じていた。 「貴方は…赤の王?」 『うむ、その名で呼ばれるのも久しいな』 「此処は、どこ?」 『此処は、魂の世界別名アストラル界と言う』 「俺は、死んだのですか?」 『いや、死と生の峡の世界にいる。尤もこのまま、放って置けば、お前の肉体は死に至るが…』 「お、俺は、まだ死ぬわけにはいかないんです!?」 『ほぅ…何故だ?』 「弟を…コルフィを助けなきゃ」 『青の王の分身か…彼の者に斬られ此処に来たのに助けたいのか?』 「あれは、コルフィじゃない!!コルフィは、俺の大切な半身だ!早く助けなきゃ」
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