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ーーーそれからも陽菜子は変わらない日常、周防に管理される日常を過ごしていたのだが……
陽菜子の変わらない日常はある日、突然、変化する。
変化のきっかけは周防の休暇である。
陽菜子と同じ家に住む周防は、例え休暇であっても、必ず邸に戻ってくる。
だから周防が休暇だったとしても、陽菜子は周防と必ず顔を合わせるのだが、この日は違った。
周防は朝早くに出かけて、帰りは深夜近くになるらしい。
周防が丸一日、不在になると知った陽菜子は
これは、チャンスだ!ーーーと、思った。
「ねぇ、今日、私は遅く帰っても大丈夫なの!」
弾む声で、いつも合コンや飲み会に誘ってくれている大学の友人、奈緒に告げた。
「え?! そうなの?! あ、でも、あの執事の周防さんがーーー」
「周防はね、今日は深夜近くに帰るの! だから、大丈夫!」
「やったぁ! 周防さんがいつも迎えに来るから、陽菜子は飲み会にも参加できなかったもんね! 私の男友達をやっと紹介出来るわ!」
いつも陽菜子に彼氏が出来るよう、男友達を紹介したいと言ってくれてた奈緒は直ぐさま、電話する。
「そう、ほら、私の友人でお嬢様で可愛いって言ってた、陽菜子が今日は大丈夫なんだって……うん、うん、わかった! じゃあ、夕方6時ね!」
奈緒は直ぐに、陽菜子の為に男子を集めて、合コンを開くと言ってーーーー
「今から、陽菜子の洋服を買いに行こう!」
奈緒の誘いに頷いた陽菜子は、そのまま学校帰りに奈緒とショッピングをした。
短いスカートを買って、今流行りの服に身を包む。
周防が選んだ服じゃない。
自ら洋服を選べた事に満足した陽菜子は、奈緒と一緒に夜の帳がおりた喧噪の街を歩く。
ネオンが、キラキラして、街ゆく人々の笑う声。
「凄く嬉しくて、楽しい!」
ワクワク、ドキドキして、あまりの嬉しさに微笑えば、奈緒が「陽菜子っ! 可愛いっ!」って抱きつく。
「これから、周防さんがいない時に、沢山、遊ぼうね!」
「うん!」
周防から解放された喜びの中、陽菜子は待ち奈緒と一緒に待ち合わせの店に向かった。
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