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みのりの居るフードコートに二人が来る、先ほどよりも人が増えて、数人はテラス席に流れ始めていた…二人は慌てて並び品物を個別に買おうとした所に食事を済ませたみのりがテラスから戻ってきた。
今度は正面同士…。
「あっ…!」
「えっ…?」
みのりと竜之介はそこで初めて再会したのである…あまりの突飛な再会にお互いがお互いを見つめながら少し動かないでいたものの、椎名の質問で竜之介はふと現実に帰ってきた。
「なぁ…柳…誰よ、あの美人、知り合いか?」
「えっ…あ、ああ…」
みのりはふとため息を吐き、この再会の対処法を考えた、勿論、再会したからと言って喧嘩する気も逃げる気も謝る気もない、だから
「おっどろいた…まさかこんな場所であんたに会うなんて驚天動地だわ…竜之介」
「みのり…おま、何で…」
「おーっとストップ…どうせ言いたい事があるんでしょ、私に?」
「お、おう…あるよ、一杯な」
「聞いたげるから、一杯おごってくんない、嫌なら私は帰りまーす…どう?」
そんなやりとりをすぐ側で聞いていた椎名が横槍を入れてくる
「冷めてんな…あんた、こいつ、ずーっと探してたんだぜ…少しは優しくできねーの?」
「優しく?私と竜之介の間にそんなもの必要ないわ…第一あんた誰?」
「俺は椎名、こいつのダチだ」
「それはご苦労様…じゃ、私は帰る!友達と一緒じゃ話辛いでしょ、竜之介?」
「お前…少し態度悪くねーか…俺なら良いけど椎名は他人だぜ、何で治らねーんだか、相変わらずだなみのり」
「五年やそこらで性格変えれたら苦労しないわよ、それにあたしと竜之介はもう関係ないんじゃないのかしら?」
「ああ、関係ないさ…五年前までなら違うけど、今はなんでもねー、でもな、聞きたい事があるのは事実だおごってやっから付き合え、みのり」
「はいはい…」
不満気な顔をする椎名を他所に、竜之介はアイスミルクティーを購入した、これはみのりが一番好きな飲み物で、大概のご機嫌取りに多用出来る品物。
それをみのりに手渡すと、未だ睨む様な椎名を竜之介は制してテラス席へ出た。
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