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夏休みどこかに出かけようと二つ上の兄と姉と話し合っていた。
「やっぱり~高校最後の夏休みだからパーっと遊びたいよね!~」
「そんなお金ないぞ」
「むー……お父さん!」
「父さんにすぐ頼るのは良くない」
「邑にーの頭カチカチ!」
「むー! むー!」
「霜……お前なー……」
頬っぺたを膨らませる私と幸ねー。
邑にーはそんな私達の姿を見て笑いを堪えられずに吹き出す。
吹き出したことに怒り幸ねーは近くに転がっていたぬいぐるみを邑にーに叩きつけ、私も近くにあったクッションを幸ねーと同じよう邑にーに叩きつけた。
そこに我が家の主、お父さんが現れた。
「父さん……」
「お父さんどこかにパーっと出掛けたい! インドアではなく、アウトドアが良い!」
「良いんじゃないか?」
「父さん!」
「子供は冒険して成功も失敗もして育っていく。 行ってこい! 霜だけじゃ心配だが邑も幸も行くんだろ?」
「やった!」
「良かった~」
「止めろよ!」
「ただし」
そう言ってお父さんはサバイバルナイフ、寝袋、空の水筒、サバイバル知識が書かれた本を三人分を揃え鞄に積めそれを私と邑にーと幸ねーに渡した。
「あの? 父さん」
「行くぞ子供たち!」
「はーい!~」
「わーい!」
「車に乗り込め!」
「おー!」
「行きたくねぇ……」
こうして私達は隣の隣の県の山へとやって来た。
「それでは夏休み終わる前には迎えに来るからな! 頑張れよ!」
そう言いお父さんは車で去っていく。
邑にーを見るとこの世の終りのような感じで落ち込み、幸ねーはウキウキとしていた。
と言うか……私が思っていたキャンプとは違う気がする……。
とりあえず山に1歩入り……。
記憶は途切れました。
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