第2章

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そういえば、ハロウィンの日以来である。 こんな暗い夜道を歩くのは... あのときは体調不良のためにしていたマスクだが、実は今もマスクをつけている。 めっきり咳は出なくなり薬も飲まなくなった今、特にマスクをする意味もないのだが俺は何となく外に出るときはマスクをするようになっていた。 そう、何となくだ。 女子の中にはスッピンを見られたくないだの、顔が小さく見えるからだの色んな理由で常にマスクをする者もいるというが、俺は男だ。そんなこと気にする訳がない。 理由をつけるなら、マスクをしていた方が何となく顔周りが温かいからだ。 マスク越しに白い息が洩れる様は、端から見たら少し間抜けだろうなと思いながらも辺りに自分以外の人影はなく相変わらずチカチカと点滅している街灯が目に入った。 ハロウィンの日、謎のイケメンに出会った公園だ。 俺はふと何となく公園に寄り道がしたくなった。 ほんと何となく。 公園に向かって歩みはじめる自分が、何故だか少し緊張気味であることに俺は少し言い表せられない気持ちになった。
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