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呼吸も心音も表情も、全く微動だにしなかった。俺を相手に嘘を付くにはまだまだ若いな。せめて心音くらいは操ってみせろ。あいつみたいに。
もしかして聞こえてない?いやそんなはずはない。俺は耳元で聞こえるように言った。
感づかれるのが嫌だったんだ。
俺にじゃない。蓮香ちゃんと時雨君に。
何かしらの反応を見せれば後で2人に問い詰められるだろう。何を言われたの?大丈夫?ってな。
だから俺が戯言、どうでも事を言い残したって事にしたかったんだ。
だから無反応を通した。一切の反応を消した。
頑張れば役者になれるだろう。それも主役だ。
いや頑張らなくてもなれるか。
あれだけ心と体を切り離しているやつはそういない。切り離そうと思って切り離せるほど、心と体のリンクは細くない。
たぶんあいつは、子供の頃からそもそも繋がっていないんだ。最初から繋がっていない。そういう風に育ってこなかった。
面白い。
このゲームには色んな奴がいる。
機械みたいな女に
闇を抱えた男の子
友達を大切にする男の子
悲しみを抱える少女
そして俺に挑んでくる身の程知らず。
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