もう一人の、彼

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「……はあ~~」 二日連続で眠れなかったこともあって、翌日学校へ向かう私の足は鉛のように重かった。 とにかくもう、恥ずかしいやら訳が分からないやらで、折坂くんに会うのが嫌でたまらなくて。 仮病を使って休もうとしたけど、すぐにお母さんに見抜かれて、ぐずぐずしている間に家を叩きだされてしまった。 足元に目を落としてトボトボ歩きながら、何度も溜息が零れ落ちる。 この2日間のこと。 総合的に考えると、やっぱり告白されたあの日のことが夢だったのかなぁ…って、私は思い始めていた。 だって……折坂くんとは殆ど話したこともなかったし、特別可愛いって訳でもないのに、好きになってもらえる訳ないし。 ────でも、だとしたら。 私って、イタい奴だよなぁ……。
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