第三章

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俺の問いかけに、 『えっ?』 と、目を丸くし驚いている。 本気か? 演技しているようには見えない… ったく、こっちが驚くんですけど、その反応…… 『交際していながら、姉の事を好きではない、と俺に告白して……ただで済むと思っているんですか?』 目を細めてそう尋ねれば、 『思ってないよ、海に沈められるかな~って思ってた』 海…って…… どんな人だと思われてんの?俺、 が、その馬鹿正直さに思わず笑った。 『ははっ、面白い人だ……さすがに、まだ誰かを海を沈めたことはありません。それに近いことはあったかも知れないけれど…』 自分でも驚いていた。 今日初めて会った亜美の彼氏と、 俺は言葉の掛け合いを楽しんでいる。 裏表のない田上悠斗に、 なんだかワクワクした。
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