8人が本棚に入れています
本棚に追加
/557ページ
「ギリギリセーフ!」
「アウトよ、マヒナさん」
教室に飛び込んだあたしにチョークが飛ぶ。
避けられない!
って…あれ?
「いてっ!相変わらずノーコンだぜ、翠ちゃん」
うーん…こんな光景、2年生の時にもあったねぇ。
「大丈夫?聖人くん」
「ああ、慣れてるからな」
そんなものに慣れて欲しくないな…
「そこ、朝からラブってないで早く席に着く。まったく…3年生はクラス替えがないから彼氏と一緒だあ、なんて浮かれてるから遅刻するのよ」
教室の至る所から笑い声が轟く。そんなこと言って、森沢先生こそ。
「翠ちゃんこそ、再来月には挙式だからって浮かれてるくせにぃ。昨日も遅くまで呑んで二日酔いじゃなかったっけぇ?」
「それが親戚になる私に言う言葉?若葉ちゃん」
「若葉ちゃん言うな!」
3年3組は朝から賑やか。この雰囲気は2年生の時から変わらない。
おかげで毎日が楽しいけどね。
「HRが終わったら1年生の入学式だからね、先輩らしい態度をするように」
「先生こそ、ちゃんと教師らしくして下さいね。二日酔いとか勘弁です」
アワビさんの一言が、また 笑いを呼んだ。
「マリッジブルーだから仕方ないのよ!」
「ぎゃはははは!マリッジブルーだって!似合わなーい」
「うるさーい!出席を取ります!」
もう、若葉ちゃんは…森沢先生を弄り過ぎ。
てか、先生また飲んだんだ?
去年みたいにならないように、顧問としてしっかりしてもらわなきゃ。
最初のコメントを投稿しよう!