第1章

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見た目完璧な彼でも中身は完璧ではないという事かしら。彼に欠点があるなんて誰も知らないのね。 それでも大丈夫。嫌いになんてならないわ。 だって、彼の事、凄く気に入ってしまったのだもの。 ずっと見ていたい。あらっ、見てないなんて事…そうね、一度もないわ。見てるわよ。見すぎる程に。ずっと。 年中無休。 どこに行こうがどこに居ようが、ずっと見てるんだから。これって愛? でも、眼球が疲れちゃう。片目づつ休んで目薬差して…目薬じゃ足りないからちょっとだけ、栄養ドリンクのお値段の高いのをね、それをグラスに注いで眼球を浸けておくの。そうすると回復するの。 疲れてもこれくらい全然平気よ。あ~やっぱり愛じゃないの?これって。 彼について色々、発見はあるんだけど秘密にしておくわ。私しか知らない。ああ、なんていい気分。 今日は右目を鞄に忍ばせるわ。 あらっ、今日のおやつはシュークリーム、あっ、それクッキーシュークリームね。くすっ…品のある食べ方。 今日も天井の定位置から彼をガン見してるの。 もちろん、瞬きはしないわよ。眼球だけだから。 おやすみなさい。 これからも、ずっと…。いつも見てるわね。 ずっと…。 !!!!! 眠っているはずの彼の口が動いた!! 「お」 「や」 「す」 「み」 !? 私に言ったのかしら? もしかして…バレてるの? ふふっ、いいわ、いいじゃない。なら、これからも遠慮なく見てるわね。 ずっと…。 完。
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