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「そう、私の妻は君より2つほど上だ。」
彼女の姿を思い浮かべる。
「同年代なら話も合うだろう。」
「はあ、そうですね。」
彼はあまり乗り気でないようだ。
「さ、それでは行くか。」
「行くってどこへ?」
「帰るのだよ。こんなところでとぐろを巻く必要もないだろう。」
コクりと頷き私の後に従った。
一刻も早くロザンヌに会いたかった。
流行る気持ちを抑え、一日早く帰宅した。
領地で私の馬車を見掛けた従者が慌てたように屋敷に駆けていった。
門をくぐると玄関で誰かが待っているのが見えた。
ロザンヌだった。
飛び降りたところで彼女が首にすがりついてきた。
「お帰りなさいまし!こんなにお早いなんて!」
嬉しそうな笑みを浮かべロザンヌの方からキスをする。
私も笑ってそれに答えた。
「お前に紹介したい人が..。」
「まあ、新しい侍女かしら?」
いたずらっ子のような笑みで私の後ろを覗く。
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