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『いいタイミングで事件だぜっ!』
ポルンから色々聞き出したいが、目の前にメンデルがいるのでポルンに問いかけるわけにはいかない。さらにアイザックまでもがいつの間にかメンデルの横に立っていた。
アイザックはメンデルに近づき耳打ちをした。その声をポルンが拾う。
「国王様。侵入者は龍王の洞窟付近から接近しております。沿岸警備隊を向かわせますが――そのルセテはハワードに変わって新しい隊長になる権利を有しております。如何されますか?」
メンデルは私を見つめたまま動かず、アイザックに対して返事もしなかった。私が宝具を使用したことをまだ勘ぐっているんだ。
オーラ型兵器を操れる能力があれば、他の国へ攻めることが出来るはず。この国以上に他国ではレベルの高いオーラ型兵器が量産されているわけだから。私は改めてポルンの能力の凄さを実感した。
メンデルは目を閉じアイザックに向き直った。
「そうだね。侵入者を捕獲しておいて。この子が隊長で問題ないよ。」
そして、つまらなそうにぶらっと歩き出した。
「それでは、ルセテ。貴方を沿岸警備隊の隊長に任命します。早急に侵入者の捕縛に向かいなさい。」
「あの、私が隊長に昇格するとなると副隊長の座が空きますが、どういたしましょうか?」
「副隊長の任命権は隊長にありますので、お好きなように。」
「では、朝霧さんを副隊長に任命します。」
アイザックは頷いた後、PDAを操作し、メンデルを追うように歩を進めた。
PDAを確認するとすでに私の隊長昇格と朝霧の副隊長任命の知らせが届いていた。
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