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「和、好きです付き合ってください」
「もう付き合ってるでしょ。これ以上どこにいけと?」
「えっへっへー。好きー」
「はいはい私もですよ」
本棚を見ながらへばりつく男に返事をすると、和泉くんはまたもきもちわるい笑い声を上げる。
私という地味な女の前に、王子様のようにキラキラとした学園アイドルが登場した。そうして少しずつ、私と彼の形は変わったのだろう。
だけれど。
モラトリアムは終わらない。私自身は変わらない。それはもちろん、和泉くんも同じだ。
恋人が出来て何かの形が少し変わった本日もめでたく、私は開店休業中なのである。
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