第1章

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 うう~んと大きく伸びをする。隣の猫も同じように伸びをしている。可愛いなぁと背中を撫でた。にゃぁと一声鳴く。  私は高校受験を控えたどこにでもいる女子中学生。今日も真面目に勉強をしていた。丸いテーブルに向かい2時間。このくらいやると集中が切れる。ちょっと休憩しよう。集中してやるほうが時間が短くても身になる。何時間は勉強しろと言う教師の言葉なんてなんの意味もないなと思う。集中してれば30分でも驚くほど身につく。逆に集中できないと5時間やろうと何も覚えたないなんてこともあった。だから集中に切れるまでやる。時間は気にしない。そういう勉強法にしてから成績は良くなった。これなら1つ上の高校に行けるかもしれない。  集中が切れたのでパソコンに向かいネットを開く。特に何を見るとは決めてないが適当にネットの波に乗っていると時に面白いサイトに辿り着いたり、面白い動画に当たることがある。  今日も同じようにいろいろなリンクを適当に渡っていく。そこで1つの動画を見つけた。なんとなく面白そうだ。マウスを操作して再生ボタンをクリックする。  砂嵐が流れ、「この動画は削除されました」のメッセージが動画画面に映る。  なんだ削除されてる。違反動画だったのかなぁと思った。しかたないとまたマウスを操作しようとした時、メール着信の音が流れる。  パソコンのメールはほとんど使っていない。サイト登録に使うくらいだ。どうせそのどこかのサイトからの広告メールだろう。そうは思ったがたまには役に立つDMなんかもあるし、いらないものはゴミ箱に捨てないとすぐにメールでたまるので一応確認する。  受信メールを見る。5通来てた。1つづつ見ていきいらないものをゴミ箱に捨てていく。4つはタイトルだけでゴミ箱に直行した。最後の1つはタイトルがない。アドレスも初めて見る。ウィルス?と思ったけども無性に覗きたいと思った。  なんでだろう?と思うものの手は止まらずにメールを開く。そこにはなんとも笑ってしまうようなことが書いてあった。 『私は100年後のあなたです。このメールは100年後から送っています』  100年後って言ったら私は114歳。もうすぐ115歳。ありえない。長寿でギネス載るって。そう笑いながらも面白そうだなと先を急ぐ。
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