彼のそば

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「じゃあ、おれも行く」 片手をあげた緒川に目をやると、森宮はあっさり言った。 「あ、来る? じゃ、メンバーはおまえも入れて5人ね」 「5人? あと2人いるわけ?」 「うーん、小次郎と日野も誘ってやろうと思って。結構前々から言われてたからさ、おれらも遊びに誘ってくださいって。 それに小次郎がユッキーさんに会いたいって言ってたし」 「はぁ? ユッキーさん? ユッキー、小次郎知ってるの?」 「こじろー…? いや、全然。バスケ部?」 「そう、クソ生意気な1年。なんで小次郎はユッキーに会いたいわけ?」 緒川が森宮に訊く。 「学食で見かけたらしいよ。おれらと一緒に食ってるとこ。で、可愛い人ですねーもっと間近で見たいです、って」 「あんま後輩と馴れ合うなよ」 「いいじゃん、あいつらバカだからおもしろいし」 「おもしろいったって、バカはバカだろ! ユッキーだってやだよね、バカと遊ぶの」 「おれは全然かまわないよ」 黙り込んだ緒川に、森宮が言う。 「じゃ、バカと遊ぶの決定。おまえもさぁ、副キャプテンなんだから、あんま後輩をバカバカけなすなよ」 「おまえが言い出したんだろ!」
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