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「ユッキーさ、じゃいつにする?」
森宮に訊かれて、幸成はじーっと見つめていたパンダパンから目をあげた。
「そうだな―――土曜でいい?」
「土曜ね。あ、一応、松下も誘ってみるか」
―――誘ってもたぶん来ないよ、松下は。
そう言おうとして、ふと視線が留まった。
後ろの出入口から入ってきた松下の姿に。
「おぅ、松下、無事生還したか」
まっすぐこちらに来た松下に、森宮が声をかける。
「おまえ、また何かやらかしたんかよ。佐野があんな怒ってたってことはさ」
ずけずけ言う森宮に、近くの席に座った松下は、おもしろくもなさそうな表情を向ける。
「なんもしてねーよ。あいつが勝手にヒスおこしてるだけで」
こともなげに答える松下に、幸成はわずかな息苦しさを覚える。
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