こうして僕は、異世界に飛ばされたのが発覚した

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 ひゅうるる、という風を切る音がして、僕は唐突に覚醒した。  先ほど変な空間に放り込まれた後の記憶は無く、周りを見渡せば蒼い空と人が住む都会のような場所と森や山やら湖やらが眼下に広がっている。  時折白い雲にぶつかって水の冷たさを感じはしたが、それほど寒さを感じなかった。 「というか、何を冷静に考えているんだ僕は!」  そう一人叫ぶ間も高度が下がって、やがて森の木々が色ではなく形として僕の目に映る。  つまりそれほど自分は落ちているわけで。
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