そうだ、演じよう。

わかりづらい人

「……ここ、どこだろう」

今日は私立聖トラスト中学校の入学式だ。

聖トラスト中学校は不良やギャル？が多いが、偏差値は異様に高いという中学校である。

小説とかではよくあるが、現実問題こんな歪な中学校になった原因は街にある。

聖トラスト中学校があるこの街は治安が悪い。そして金持ちが多勢住んでいるのが特徴だ。

何故金を持ってるのに治安の悪い所に住むのかと疑問に思うだろう。僕も思った。

それを父に聞いたら、治安が悪い所程縄張りがしっかりしてたり、情報が入りやすかったりするかららしい。

まぁ、金持ちにも色々あるんだろう。

話が逸れたが、3月。僕は聖トラスト中学校の入学試験を受け、見事合格した。

この学校の試験は難しかったが、勉強した分だけ新しいことが分かるのが意外と楽しくて毎日勉強していたので受かることはできた。

そこまでは良かった。今僕は絶賛迷子状態なのだ。

学校までは前回も行ったので普通に行けたのだが、入学式が行われる体育館までの行き方が分からなかったので、取り敢えず同じ制服の人について行った。

しかしその制服の人達は2、3年生だったのだろう。普通に校舎に入ってしまった。

ほんとに、背が低かったので同学年かと思ったのが間違いだった。

それに、ついて行っただけなので声をかけることも出来ず、僕はふらふらと広大な学校の敷地内を彷徨っていた。

しかし体育館らしき建物は見つからず、もうどうすればいいか分からなくなって若干現実逃避を始めていた時、僕は出会った。