6942人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
ゲームの結果なんかで、今日のデートが左右されるなんて嫌だ。
棗くんは、私がどれだけ棗くんとのデートを楽しみにしているのかわかってないのかな。
少しふてくされながら、私はママと一緒にその勝負を眺めていた。
「もう…何ふてくされてるの純ったら」
「だってー…、もし負けちゃったら、棗くんとデート出来なくなっちゃう」
「大丈夫よ。多分棗くんが勝つから」
「……どうしてそう思うの?」
ママは何故か自信満々に、パパが負ける事を予想した。
「パパはね、いざってときの勝負に弱いのよ昔から」
ママは、パパの事なら何でも知り尽くしているんだろうか。
勝負の行方を眺めていたら、あっという間に決着はついてしまった。
「チェックメイト」
……ママの予想通り、棗くんの圧倒的勝利。
「……梶真。もう一回…」
「勝負は一回きりですよ部長。帰りはちゃんと家まで送るんで心配しないで下さい。純、行くよ」
「え、あ、はい!」
何が何だかよくわからない内に、棗くんに名前を呼ばれ。
パパの「遅くならないように!」を聞きながら、私達は家を出た。
最初のコメントを投稿しよう!