第二十一章:宵華

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数日後、ダメージが抜けた晃、ミリアム、宵華、ヒューリ、セレナ、ルイーナ、ミュリゥはミーティアに乗って京都へ向かっていた。運転手はレンリに頼んでいる。 「隊長、あの・・・」 「んっ?」 「その・・・」 「あぁ、そんな肩肘張らなくていいよ。いつも通りにしてくれればいい。」 実は運転手を頼む時に免許を持っているバルド、ミシューナ、レンリ、茜、シンに声を掛けたのだが、バルドとミシューナはこの世界に来たメンバーにこの世界の言語を教えると言って逃げられてしまい、茜とシンは別件で任務が入った為、残ったレンリが引き受けてくれたのだ。 ちなみに、言語の問題については晃が言語理解の魔道具を作成してある為、日常会話は問題がない。ただ生活する為には不便であるので、その辺りは教える必要があるのだ。 「でも、どうして京都なのですか?」 「あぁ、この世界にある巫女族が暮らしている月華院に用があるんだよ。宵華の事もあるし、ヒューリさんとセレナ先生の件とか諸々の報告が必要だからな。」 「報告って何処に?」 「そりゃ、リスティア界だよ。」 事前に月華院には電話で行く事を伝えてある為、月華院に入る検問所もあっさりと通りそのまま山を登ると巫女族の女性が出迎え止める場所へと案内してくれた。 「んー、結構な長旅でもこの世界は発展しているね。乗り心地も良いし静かだから快適だった。」 「まぁ、機械文明はリスティア界よりは発展しているからな。」 晃は月華院に入る為の手続きをする為に門へと行き木札を見せて連れて来た人達の事も説明をすると許可が下りて中に月華院の中に入った。 「来ましたね。晃」 門を潜ると数人の巫女族を従えて月華院の大巫女である神流が晃達を出迎えた。 「お久しぶりです。神琉様」 「今回の一件、聞き及んでおります。」 「つきましては月光鏡の使用を許可頂きたいのですが?」 「えぇ、既にリスティア界の大巫女キクナとも話が済んでおります。」 月光鏡はリスティア界と連絡が取れる能力がある鏡の事である。しかし、その鏡の力は失われたと説明を受けたのだが、あるきっかけによって力を取り戻したという事を三日前に来た神琉の式神が持ってきた手紙に書いてあったのだ。
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