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雨の音で目が醒めた。
カーテンのわずかな隙間から外を見る。今日も雨。梅雨だな、と改めて思う。
幸い、土曜日だ。どんな天気であっても構わない。わたしはジーンズを穿き、ネルシャツのボタンを留め、その上からグレーのパーカーを着た。
眼鏡をかけて、部屋を出る。
リビングには、既に同居人の姿があった。
大学に入るときにルームシェアを始めて、今年で三年目。
料理は、彼の担当。どうやら今朝は和食らしい。魚の焼ける、いい匂いがする。
燕君、とわたしは彼に声をかけた。
「おはよう」と続けると、
「おはよう」とだけ返ってくる。
相変わらず、素っ気ない男である。
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