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私は思い出をなぞるようにゆっくりと婚姻届を折りたたみ、封筒に戻して貴重品ボックスではなくバッグに入れた。
明日の夜、樹に会ったら早く見せたいから……。
◆ ◆ ◆
翌日の昼休み。
私は三井先輩がデスクから立ち上がるのを見計らって声をかけた。
「三井先輩、ランチ一緒に食べませんか?」
「いいよ。どこで食べる?」
「駅前に新しくできたパスタ屋さんとかどうですか?」
「いいね。俺、午後のアポは二時だからゆっくりできるよ。高城は?」
「私は二時半です」
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