第10章・それからの日々

12/31
685人が本棚に入れています
本棚に追加
/289ページ
私は思い出をなぞるようにゆっくりと婚姻届を折りたたみ、封筒に戻して貴重品ボックスではなくバッグに入れた。 明日の夜、樹に会ったら早く見せたいから……。 ◆ ◆ ◆ 翌日の昼休み。 私は三井先輩がデスクから立ち上がるのを見計らって声をかけた。 「三井先輩、ランチ一緒に食べませんか?」 「いいよ。どこで食べる?」 「駅前に新しくできたパスタ屋さんとかどうですか?」 「いいね。俺、午後のアポは二時だからゆっくりできるよ。高城は?」 「私は二時半です」
/289ページ

最初のコメントを投稿しよう!