異世界に行ってきます。逝ってらっしゃい

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■  寒い、痛い。お腹も空いた。惨めだわ……私このまま死ぬのかしら。それになんだか眠い……。  この星空の下、寒すぎて震えが止まらない。それに散々叫んだあげく体力が無くなっただけに終わった。ぐったり疲れきった体に追い討ちをかけるように、お腹も空いてきて、今私のライフは0に近い。  転生して早々また死ぬのだろうか。着いて死ぬとか、早すぎる命だった。なんのために生まれて来たのか本当わからない。転生しない方がマシだったかもしれない。死んだらあの天使絶対殴ってやろうか。最後の条件を付けといて心底よかった、と様々な思いが募っていく。  …―駄目だ眠い。おやすみなさい。と諦めて目を瞑った刹那、パキッという音が耳に入った。  何だ? とうっすら目を開けると、微かだが、遠くで黄色い光が2つユラユラと揺れている。幽霊か、それとも肉食動物の目か。此方に向かってくるではないか。  ゆっくりと、確実に、だんだん接近してくるそれら。得たいの知れない光に固まっていると、だいぶ近寄った所でまたパキッという音がした。そして一言二言交わす声を聞き取り、それらが幽霊ではなく人だということに気がついた。  誰か、誰か! お願い! 誰でもいいから助けて!  体力を奪われたその体から出る声は、自分でも呆れるほど情けなく掠れた鳴き声だった。でも今鳴かなければ助からない。そんな気がして、残された体力で息を吸った。 「ピーピーピーピー」 「何処かしらここ?」 「違うね、こっちかな?」  若い男性と女性の声だ。  もしかして探してくれているのではないか、淡い期待を抱きながら私は助けを叫ぶ。  少しずつ、少しずつ2つの光は此方に近づいてくる。何処だ何処だと、光の正体ランタンを草木に照らしながら。 「いた! 見つけた!」  
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