そこから始まる恋もある!

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[3] 酒は飲んでも飲まれるな。 後悔先に立たず。 こんなにも格言が当てはまると思ったのは、生まれてこのかた初めてだ。 それがいいか悪いかはひとまず置いておいたとして。 実は俺はこれまでにもすでに一度、朝起きたら記憶がなかったというアグレッシブな酒の記憶がある。あの時も3日前のあれと同じバイト先の飲み会後のことだった。 その時も朝起きたらちゃんと家にいたが、何故か俺は誰のだか全く不明のカツラを抱きしめていた。……あれは軽くホラーだった。二日酔いなんかぶっ飛んだね。寝起きの頭で髪の塊が目に入ってみろ、マジで怖いから。 おまけに見た瞬間、それをカツラじゃなくてリアルな髪の毛だと誤認した俺は、呪われたかもしれない聞いてくれと飲み会に参加してたヤツに泣きついた。 そうしたら電話越しにも分かる呆れ声で、それはお前が強奪した部長のカツラだと告げられた。死ぬかと思った。 ――で、だ。そんなことは置いといたとして、だ。 3日前、俺は飲み会を終えてご機嫌で日付が変わった頃に帰ってきたはずだ。そしたらアパートの下で早坂に会って、なんか楽しくなって宅飲みに誘ったんだっけ。 そうかあれはお互い酔った勢いだったのかと思って、ぱぁっと輝いた後、俺は早坂が下戸だったことを思い出して今度こそ死にたくなった。 あいつ、あの夜、素面だったんじゃねぇのか。
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