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「でも、僕は約束を守れなかった。」
「ううん、違うの。あなたのあの言葉があったから、私は怖くなかった。どんな時にもカツミがそばにいて守ってくれてるって感じてたから。」
「僕は君を引き留めてはおけなかった。」
「それも違うよ。今だってこうして、あなたの前にいるでしょう。私は何時までもカツミと一緒にいるよ。」
そしてまだ話し続けようとする僕の口を、あの合宿の夜の様に、モモはその唇で優しく塞いだ。
僕は今度はゆっくりと、力を加減しながら彼女を抱きしめた。
このまま時が止まることを願いながら。
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