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「お前、毎日抱いているのか?」
「は?」
「桂斗だよ。フェロモンなくなった」
「・・・・・・・そんなこと、言わなくていいでしょ?」
「あそ。アイツはいいオンナか?」
「オンナじゃないですよ」
「お前のオンナだろうが」
「そう云う言い方やめてください、あの人は雷文の組長なんですから。それに俺のモノでもありません」
「毎晩抱いているのにか?」
「なんで毎晩ってわかるんですか!」
「桂斗が足りるわけねぇだろ。満足してなきゃまだ匂いさせてんだろうが」
「貴方って人は・・・・それでも親ですか?」
「ああ、遺伝子的にな。アイツに親らしいことはしちゃいねぇけど」
「あの人に手出しはしないでください」
「お前のモンじゃないんだろ?匂い垂れ流してたら据え膳食わずに頂くぜ」
「節操なしがっ!」
「褒めてくれてありがとよ」
「褒めてませんよ」
不毛な会話が途切れると彼は立ち上がってこちらに近づいてきた。
じっとこちらを見られているだけで背中に寒気が走るほどの威圧感だ。
身を固くして身構えていると気にせず距離を縮めてきて、キスするくらいの距離に綺麗で恐ろしい顔が近づいた。
「いい顔だな。凛とした眼元、鼻筋がまっすぐ通ってて、整った薄い唇・・・・・イケメンってやつだ」
「貴方に言われたくないですよ。凍りつくような美しい人だってみんな噂しています」
「ふふっ・・・良い褒め言葉だ。気に入ったぜ」
「俺を犯るつもりですか?」
「俺にだって好みはある。それにお前にネコの素質もなさそうだ」
そう云いながら大きな手で尻を掴んでグッと引き寄せた。背丈も同じくらいで体格も似かよっている。お互いの胸筋がガツンとぶつかった。
「かなり鍛えてるな」
「貴方こそ」
「桂斗は筋肉フェチだったからな。佐竹もかなりいい歳なのに頑張ってた」
「貴方は?雪兎さんの趣味ですか?」
「アイツは俺ならばどんな風体だって喜んでくれるさ」
「そんな惚気、犬も食わないですよ」
「それほど俺たちは惚れあってるってことだ」
「でも、貴方の蛮行は許すんですね。俺なら絶対許さないけど・・・・」
「許してないんじゃないか?でもアイツを守るためだということも知っている」
「そんな言い訳・・・・」
「あんまりにかわいいもんだからつい愛しすぎちゃうんだよな。次の日仕事になんないからセーブするしかないだろ」
「40歳でタフですね」
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