愛される為なら、なんだってする。

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「そうだよ これならいい?」 「……嬉しい」 私はケイさんの部屋を見渡して溜め息を吐く。 なんだかケイさんの今まで見れなかった一面を見れた気分。 今まで私はケイさんに裸体をさらけ出していた。 私はなんでも提供していた。 ケイさんからは何も教えてもらってない。 ……ようやくケイさんを知れた。 私はケイさんの香りがするベッドに顔を埋めた。 ケイさんの匂いがなによりも好き。 「……嬉しい? なに?挑発?」 そんな私の上に、ゆっくりと登ってくるケイさん。 ベッドがギジリと音を立てた。 今まで何度も望んだシュチュエーション。 「これからここで凄いエッチなことするんだよ ……嬉しいなんて可愛いこと言われたら、乱暴にするよ」 私の腕をシーツに縫い付けるケイさんの手。 舌舐めずり、とでも言えばいいのかな。 ちろりと見えた赤い舌。 「……是非、初心者なのでお手柔らかに」 「煽ってるの君でしょ?」 「煽っては無いと……」 「その顔がたまらないの」 そう言って軽いキスを私の唇に落とす。 そんな触れるだけのキスに私の脳内は酸素が足りなくなっていく。 「……まぁ、でも俺の方が大人だから 今日は紳士的にしてあげる おにーさんが全て教えてあげるから」 大人の余裕、大人の色気を含んで小さく笑ったケイさん。 最後のセリフは挑発的だ。 そして私に馬乗りになった状態で服を脱いだ。 色の白い細い胸板が露わになる。 上半身裸にジーパン姿のケイさんに思わず息を飲んだ。 「……あ、あの」 「なァに?」 「……なんでもないです」 緊張で何も言葉が浮かばない。 変な汗が首筋から流れ落ちる。 ケイさんの前で脱ぐ事なんて、もうなんとも思ってなかった。 だって私はケイさんの仕事道具だったから。 期待していた状態がいざ来ると、怖くてしょうがない。 「ねぇ、菜緒?」 そんなガチガチに緊張した私の髪の毛を撫でながらケイさんは口を開いた。 「……俺に子宮を触らせて 君が見たもの聴いたもの子宮に集まった感動を触らせて 俺に教えて、俺と共有して」
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