交差

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 ガツッ! 「っつう!」 「なんだ、おぬしは」 「藤吉はん!」  思わず右手を上げて庇ったはいいが、俺の腕には芹沢の鉄扇が食い込んだ。  腕を庇いながら、芹沢に頭を下げた。 「すんまへん。けど、この鉄扇がお梅さんに当たったら、大怪我しますさかい」 「バカもん! まともに当てるつもりなど無いわ。脅すだけに決まっておる!  ちっ、来い」 「いてててて」  俺は血の滲んだ右手を引かれ、母屋の中に連れて行かれた。  お梅さんは、オロオロしながら俺の後をついて来た。 「堪忍、堪忍え」  何度も謝りながら。
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