北の大地にて……

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栞を片手に本のページをめくる。 内容は平和を願う人々の葛藤物語。 彼女は目で文字を追う。 時折目を細め、又見開き、潤ませる…… (ヴィーッヴィーッヴィーッ)……突如鳴り響く警告音。 「……もう終わりか」 本に栞を挟み気持ちを切り替えモニター画面を見る。そこには軍服を着た兵士が映っていた。 『中尉、そろそろ合流ポイントに到着します』 「作戦説明を頼む」 『はっ。我々の部隊がこの1067ポイントにて待機、連邦の機動部隊が……』 彼女は兵士の説明を聞き終わると本を机に置き立ち上がる。 「5分で支度する。機体はスタンバってるだろうな」 『任せて下さい、何時でもどうぞ』 「よし……連邦共に見せてやろう、我々の力を!」 『了解!』 彼女はジオン公国軍キシリア直属ニュータイプ実験部隊所属、フミカ・アサヒナ中尉。 シベリア防衛戦線にて……これが彼女の初実戦だった。
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