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「黎子さん、今日は白?」
「黎子さん、今日はグリーンだったね」
「黎子さん、ね、ちょっとブラウス引っ張って」
猪瀬はあれから毎日のように、私のブラに物申す。
営業三課では、取引先一件につき主担当と副担当が決められており、私と猪瀬は、どちらかが主担当なら残りは副担当というようにペアを組まされていた。
つまり、毎日恐ろしいほど長い時間一緒にいる。
二人きりになる時間だって、たくさんある。
見えないように気を付けているけれど、襟の詰まった服ばかり着ているわけでもないので、多少は見えちゃう時もあるでしょう。
しかしね、普通は気付かないし、万一気付いても見ないふりをしてくれるものでしょ?
一応、他の社員がいる前で言うような馬鹿はしてないけれど、些細だけれど執拗なセクハラはストレスだ。
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