無理だから

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あ……あいつだ。 こんな雪の日に……もしかしてあの話? あいつは……この間誰かに狙われていたところを助けてあげて 怪我をしてたので看病して、食事を食べさせてあげた。 何だか変わってるな……と、思ってたら 変な事言い出したので追い出した。 私も憧れた事はあったわ、幼い頃に。 でも……もう遅いのよ。 とりあえず本を読むふり。 栞を手にしたところで部屋に入ってきた。 「僕と契約して魔法少女に……」 「それなら断ったはずよ」 「理由を聞いてなかったね。何故だい? 代わりに君の願いを叶えてあげるのに」 「年齢的に無理。あたし32だし」 「ヴッ……で、でも見た目にはギリ少女だから……その、ごまかせるかも……」 「子持ちのバツイチだけど?」 「……失礼しました」 肩をガックシ落として雪の中をトボトボ帰っていった。 ああ……せめて18年前に出会いたかったわね。
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