アスガルド城

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 いろんなことを考えると、この結論に至ってフィンは口にした。 ロイには聞けないが、クラウドには聞ける。 そう言えばロイは悔しがるだろうが、それが兄妹というものだ。 「……そうだね、フィンにも話しておこう」  そう口にして、クラウドは窓際に立つフィンのそばへ歩いた。 「今の私を、どう思う?」 「え? えと、お元気そう、に見えますけど……?」 「うん、そうだね。見てて」  そう言うやいなや、クラウドはそばにある果物ナイフで自分の手の平を切りつけた。 「きゃあっ! クラウド兄様っ!?」  慌てるフィンにクラウドは「落ち着いて」と手のひらをフィンの前に差し出した。 「……え?」
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