244人が本棚に入れています
本棚に追加
/370ページ
「自分たちがやった罪に向き合えよ」
「わかってる。今日はもう帰らせてくれ」
正樹に対して、澤田は手で制しながら言うと、屋上の扉がある方向に歩いて行った。
今はとりあえず、一人になって考えたいのだろう。
彼の後ろ姿を見ながら、満は口を開いた。
「俺たちも帰るか」
「ああ」
正樹がうなずきながら返事した。
その時、前を歩いていた澤田が突然足を止めた。
何があったのだろうか。
満が疑問に思っていると、彼は振り返って言葉を発した。
「俺はな、神島は過去に、人を殺したことがあるんじゃないかって思ってる」
澤田は右の人差し指で、自らの右頬をなぞった。
最初のコメントを投稿しよう!