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揺れる心 #2
あ、その顔ちょっと反則かも……
いくら毛嫌いしていたとしても間宮くんは世間一般的には”イケメン”という部類に入る。
例の事が起こる前は、実は結構お気に入りだったりした。
―――勿論、内緒だけど……
「涼子さんボーっとしてないで早く乗ってください」
そう言われ我に返り間宮くんを見ると、いつの間にか私に背を向けしゃがみ込んでいた。
「え?」
戸惑う私。
だって間宮くんの体勢は誰が見たっておんぶをしようとするものだったから……
「え、じゃなくて早く乗って。言っておくけど断りはなしだから。おんぶが嫌ならお姫様抱っこするけど、どうする?」
私に背を向けたまま顔だけこちらを見てニヤリと不敵な笑みを見せた。
冗談じゃなく本気でするつもりだと思った。
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